ローカルLLMは安全か:セキュリティの設定と確認方法
セキュリティ
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ローカルLLMは、外部通信の遮断と暗号化を設定し、そのとおりに動いていることを確認すれば、入力した内容をAIサーバーから社外へ送らずに使えます。設定の内容と確認項目、社内に残る情報漏洩のリスクを解説します。
この記事の要点
- AIサーバーを
社内に 置いただけでは、 社外への 通信が 止まるとは 限りません。 - 外部通信の
遮断は、 設定と 実際の 通信の 両方を 見て 確認します。 - 時刻合わせと
更新時の 接続は、 例外として 宛先と 目的を 確認します。 - 権限、
持ち出し、 盗難、 回答の 誤りは、 社内の リスクとして 残ります。
社内に 置くだけでは 安全に ならない
ローカルLLM(社内に置く生成AI)は、外部通信の遮断と暗号化を設定し、そのとおりに動いていることを確認すれば、入力した内容を社外へ送らずに使えます。AIサーバーを社内に置いただけでは、社外への通信が止まっているとは限りません。
以下では、どの会社に構築を依頼する場合にも使える一般的な観点と、当社の導入支援で行うことを、分けて書きます。
社外へ 送らないと 言えるのは 処理と 保存まで
社外へ送らないと言えるのは、AIサーバーの中で行う処理と保存までです。質問や資料の内容、AIの回答、会話の履歴が、その対象になります。
利用者のPCは、この範囲に入りません。PCがインターネットにつながっていれば、画面に出た回答やダウンロードしたファイルを、メールなどで社外へ出せます。この部分は、利用ルールとPCの管理で対応します。
当社の導入支援では、質問や資料の内容を、設置したAIサーバーの中で処理・保存します。社外のAIサービスは利用せず、入力した内容がAIの学習に使われることはありません。
ローカルLLMは、オンプレミスLLM、社内LLMと呼ばれることもあります。呼び名だけでは設置場所や通信のしかたは決まらないため、提案を受けたら、どの通信を遮断しているかを項目ごとに確認します。
外部通信の 遮断・認証・暗号化を 組み合わせる
設定するのは、外部通信の遮断、利用者の認証、通信と保存の暗号化です。防ぐものがそれぞれ違うため、組み合わせて使います。
外部通信の 遮断と、 例外に する 通信
AIサーバーから社外への通信は、拒否する設定を基本にして、必要な通信だけを例外にします。例外は、宛先と目的を一覧にしておきます。
例外の代表は、時刻合わせの通信と、ソフトウェアを更新するときの接続です。時刻合わせを残すのは、ログ(機器の動作や利用の記録)の時刻を正しく保つためです。総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」は、時刻がそろっていないと、ログの時刻がずれ、システムの間でログを突き合わせる分析が難しくなるとしています。
通信を遮断したAIサーバーは、更新を自動では受け取れません。更新するときは、そのときだけ一時的に接続するか、別の機器で取得した更新用のファイルを持ち込みます。一時的に接続した場合は、終わったら遮断した状態に戻します。
利用者の 認証
利用者ごとのアカウントでログインする設定にし、ログインや操作の記録を残しておくと、誰が使ったかを記録から追えます。アカウントを複数の人で共用すると、追えなくなります。アカウントを利用者ごとに発行できるか、設定を変更できる管理者を絞れるかは、構築を依頼する会社に確認します。異動や退職のときにアカウントを止める手続きは、社内で決めます。
通信と 保存の 暗号化
PCとAIサーバーの間の通信を暗号化するのは、社内ネットワークの中での盗み見を防ぐためです。AIサーバーのディスクの暗号化は、機器が持ち去られたときに、保存したデータを読み出されにくくするための設定です。
当社が
当社の導入支援では、AIサーバーから社外への通信を遮断します(時刻合わせの通信を除きます)。月額保守(任意)のソフトウェアの更新のときだけ、当社の担当者がお客様先に伺い、AIサーバーを一時的に社外へ接続します。更新が終わると、社外へ接続しない状態に戻します。保守を契約しない場合、当社による更新は行いません。PCとAIサーバーの間の通信はHTTPSで暗号化し、AIサーバーのディスクも暗号化します。各PCへのソフトの導入は不要で、設置の際に社内用の証明書を登録します。
遮断は 設定と 実際の 通信の 両方で 確認する
社外への通信がないことは、設定の内容と実際の通信の両方を見て確認します。設定の画面を見ただけでは、通信が実際に止まっているかどうかまでは分からないためです。
次の表は、自社で構築する場合にも、構築を依頼する場合にも使える、一般的な観点です。
| 確認する | 見る | 判断の |
|---|---|---|
| 遮断の | AIサーバーと | 社外宛ては、 |
| 例外の | 許可している | 宛先と |
| 遮断の | AIサーバーから | 例外に |
| 利用中の | 質問や | 例外に |
| 更新時の | 更新の | 更新後、 |
| 利用者の | アカウントの | 利用者ごとの |
| 暗号化 | ブラウザの | 通信も |
確認の 手順
- 遮断の設定と、例外にしている通信の一覧を見る
- AIサーバーから社外への接続を試し、例外にした宛先のほかはつながらないことを確認する
- 質問や資料の読み込みをしながら、その間の通信の記録を見る
- 結果を書面に残し、構築した会社と自社の双方で保管する
- ソフトウェアの更新や設定の変更のあとに、同じ項目で確認し直す
構築を依頼する場合は、どの項目を誰がいつ確認するのか、結果を書面で受け取れるのかを、提案を受ける段階で聞いておきます。
当社の導入支援では、外部通信を遮断する設定を、基本構築に含めています。
遮断しても 社内で 起きる 情報漏洩は 残る
社外への通信を遮断しても、社内で起きる情報漏洩や事故のリスクは残ります。AIサーバーは機密情報が集まる場所になるため、次の表のリスクごとに備えを決めます。
| リスク | 起きる | 備え |
|---|---|---|
| 権限の | 異動や | アカウントを |
| 履歴の | 履歴に | 閲覧できる |
| 持ち出し | 回答や | 利用ルール、 |
| 機器の | AIサーバーごと | 入退室の |
| 機器の | 履歴や | バックアップと |
| 機器の | ディスクに | 廃棄や |
| 回答の | 誤った | 重要な |
表の備えの多くは、生成AIに限らない情報セキュリティの基本です。ファイルサーバーなど、機密情報を置いているほかの機器と同じ水準で管理します。
当社の導入支援では、会話履歴のバックアップは行いません。故障のあとは、設定の控えから環境を作り直しますが、会話の履歴は戻りません。
個人データを入力する場合は、この管理が法律上の義務にも関わります。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2026年6月一部改正)は、講じなければならない安全管理措置を示しています。アクセス制御、機器の盗難の防止、個人データを記録した機器を復元できない手段で廃棄することが、その中にあります。
履歴を 閲覧できる 人と 保存期間を 決めて おく
会話の履歴は、閲覧できる人と保存する期間を、使い始める前に決めておきます。人事や給与の資料のように、社内でも閲覧できる人が限られる情報が、履歴に残るためです。
決められる範囲は、使うソフトウェアと設定で変わります。構築を依頼する会社に、次の点を確認します。
- 管理者は、ほかの利用者の履歴を閲覧できるか
- 履歴を残す期間を設定できるか。利用者が自分で削除できるか
- 誰がいつログインしたかの記録を取得できるか
- 履歴と記録は、どこに保存されるか
当社が構築する環境では、会話の履歴と操作の記録を、AIサーバーの中に保存します。AIサーバー本体を操作できる方は、保存された会話の記録を読める立場になります。
記録を
IPA(情報処理推進機構)の「組織における内部不正防止ガイドライン」(第5版、2022年4月)は、ログ・証跡を保存している事実を、従業員に通知することが望ましいとしています。内部不正の抑止に効果的だと考えられるためです。管理者が履歴や利用の記録を閲覧できる設定にする場合は、そのことを利用者に伝えておきます。
導入後は 更新と 利用ルールの 見直しを 続ける
導入後は、ソフトウェアの更新と、利用ルールの見直しを続けます。設置時に確認できるのは、その時点の状態までです。
ソフトウェアの 更新
IPAの「中小企業の情報セキュリティ
当社の導入支援では、公開されているソフトウェアを組み合わせ、当社で検証したバージョンを固定して導入します。導入後の更新は、月額保守(任意)の中で行います。定期の更新のほか、重大な不具合の修正が公開され、導入した環境に当てはまると当社が判断したときは、臨時の更新を行います。
利用ルール
利用ルールでは、誰がどの種類の情報を入力できるか、回答や作成したファイルをどこまで共有できるか、回答をどう確認するかを決めます。
定期的に 見直す項目
- アカウントと権限に、異動や退職が反映されているか
- 記録に、不審なログインや利用がないか
- 更新が適用され、更新後に遮断した状態へ戻っているか
- バックアップを取得できているか、復旧できるか
- 利用ルールが実際の使い方と合っているか、周知できているか
管理を 続けられない 場合は クラウドが 向く
AIサーバーの設置場所と、管理する担当者を決められない場合は、クラウドの生成AIのほうが向いています。機器を社内に置くと、設置場所の管理とソフトウェアの更新を、導入後も自社で続けることになるためです。アカウントと権限の見直しは、どちらを選んでも必要です。
社外から利用したい場合は、社外からの入口を設けることになり、確認する通信が増えます。当社の導入支援では、社外からの入口を設けないことを安全の前提にしており、社外からの利用には対応していません。
機密情報を扱わない業務は、多くの場合、クラウドの生成AIで足ります。回答の精度やインターネット検索を優先する業務にも、クラウドのほうが向いています。
社外に出せない情報を扱い、管理する担当者も決められる場合は、ローカルLLMが選択肢になります。
出典・参考資料
この記事は、株式会社ペルメアが作成しました。内容は更新日時点のものです。制度や各社のサービスの内容は変わることがあります。
よくある質問
- 社外への
通信を 遮断すれば、 情報漏洩は 起きませんか - 起きないとは言えません。遮断で防げるのは、AIサーバーから社外への送信です。権限の設定漏れ、PCからの持ち出し、機器の盗難は残るため、認証、暗号化、利用ルール、設置場所の管理を組み合わせます。
- 時刻合わせの
通信は、 なぜ残すのですか - AIサーバーの時計を正しく保つためです。時刻がずれると、記録に残る時刻もずれ、ほかの機器の記録と突き合わせにくくなります。例外にする通信は、宛先と目的を一覧にして、設置時に確認します。
- 通信を
遮断したAIサーバーは、 どうやって 更新しますか - 更新のときだけ一時的に接続する方法と、別の機器で取得した更新用のファイルを持ち込む方法があります。一時的に接続した場合は、終わったあとに、遮断した状態へ戻っていることを確認します。当社の導入支援では、月額保守(任意)のソフトウェアの更新のときだけ、当社の担当者がお客様先に伺い、AIサーバーを一時的に社外へ接続します。更新が終わると、社外へ接続しない状態に戻します。保守を契約しない場合、当社による更新は行いません。
- 外部通信の
遮断は、 誰が 確認しますか - 構築した会社と導入する会社の担当者が、設置時に一緒に確認します。構築した会社の報告だけで済ませず、接続を試す場面に立ち会います。